朋輩衆ほうばいしゅう)” の例文
「武道のみでなく、学問もせねばならぬぞ。平常は何事も、朋輩衆ほうばいしゅうよりも控え目に、ことある時は、人の避けることも進んでするようにな」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お前は恋のために私をだまし、先輩や朋輩衆ほうばいしゅうに勤めを欠いた。恋ぐらい排外的になりがちなものはないからな。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「ほかでもござんせんが、実は、袖ノ井さんの朋輩衆ほうばいしゅうの、伊吹屋のお由利さんが、ゆうべ急に亡くなられましたんで、袖ノ井さんに、何かとお訊ねいたしたいと存じやして……」
お松は自分の今の生活が至極しごく平穏無事であること、御殿でも皆の人に可愛がられて昔のような心配は更にないこと、朝夕朋輩衆ほうばいしゅうと笑いながら働いていることなどを細々こまごまと書きました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私は寺の事、法の事、朋輩衆ほうばいしゅうの事も考えないのではありません。けれどあの女を振り捨てる気にはなれません。あの女に罪はないのですもの。振り捨てねばならない理由が見つからないのですもの。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)