曠漠こうばく)” の例文
その火の色は曠漠こうばくとした周囲のなかでいかにも孤独であった。その火をいて一点の燈火も見えずにこの谿は暮れてしまおうとしているのである。寒さはだんだん私の身体へい込んで来た。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)