暁闇あかつきやみ)” の例文
旧字:曉闇
眼の下には夢で見たとおりのルフィノ寺院が暁闇あかつきやみの中に厳かな姿を見せていた。クララはとびらをあけて柔かい春の空気を快く吸い入れた。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
つくづくと首し見れば、こちごちの濃霧こぎりのなびき、渓の森、端山の小襞こひだ黒ぐろとまだぶかきに、びようびようと猛ける遠吠、をりからの暁闇あかつきやみを続け射つ速弾はやだまの音。
源太郎は暁闇あかつきやみの中を引揚げて行く覆面武士の一隊を見送って、氷のような冷罵れいばを浴びせました。
つくづくと首し見れば、こちごちの濃霧こぎりのなびき、渓の森、端山の小襞こひだ、黒ぐろとまだぶかきに、びようびようと猛ける遠吠、をりからの暁闇あかつきやみを続け射つ速弾はやだまの音。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)