晩食ゆうめし)” の例文
先生は書斎においでですからと言いながら、手を休めずに、膳椀ぜんわんを洗っている。今晩食ゆうめしがすんだばかりのところらしい。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さすがに心おもしろからずようやく癇癪の起り起りてこらえきれずなりし潮先、えられし晩食ゆうめしの膳にむかうとそのまま云いわけばかりに箸をつけて茶さえゆるりとは飲まず、お吉
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
同じ話題が再び夫婦のあいだに戻って来たのは晩食ゆうめしが済んで津田がまだ自分の室へ引き取らないよいくちであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)