晩番おそばん)” の例文
二人の歩いて行く先に、同じような二人づれがあって、その話声の中から早番だの晩番おそばんだのという言葉が漏れ聞える。重吉は思出したように
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「もう十時だ。」と矢田はまくらもとの腕時計を引寄せながら、「おれはちょっと店へ行かなくっちゃならないんだけれど、君さん、今日は晩番おそばんか。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
清岡がこの貸間へ来るのは、いつも君江がその翌日五時出の晩番おそばんに当る前の夜にきまっている。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)