早稻わせ)” の例文
新字:早稲
汽動車は氣味のわるい響きを立てつゝ、早稻わせはもう黄ばんでゐる田圃たんぼの中を、十丁程と思はるゝ彼方かなたに長くよこたはつたやさな山の姿に並行して走つてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
裏の欅山けやきやまもすつかり黄葉して秋もいよ/\更けましたが、ものの哀れは一入ひとしほ吾が家にのみあつまつてゐるやうに感じられます。早稻わせはとつくに刈られて今頃は晩稻おくての收穫時で田圃たんぼは賑つてゐます。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)