旅薬たびぐすり)” の例文
わし自身とて、いとしい小右京こうきょうとも別れ、公卿の栄耀えようもすてているゆえ、そこは眼をつぶっているが、しかし、何も知らぬ貧しい良民ほどあわれなるはないのう。……そうだ、持ち合わせの旅薬たびぐすりがある。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)