文目筒もんめづゝ)” の例文
舟が中流に出てから、庄司は持つてゐた十文目筒もんめづゝ、其外の人々は手鑓てやりを水中に投げた。それから川風の寒いのに、皆着込きごみいで、これも水中に投げた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
坂本は堺筋さかひすぢ西側の紙屋の戸口に紙荷かみにの積んであるのを小楯こだてに取つて、十文目筒もんめづゝ大筒方おほづゝかたらしい、かの黒羽織をねらふ。さうするとまた東側の用水桶の蔭から、大塩方の猟師金助が猟筒れふづゝで坂本を狙ふ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)