敲子ノッカー)” の例文
門と申しても、扉や屋根のある次第ではない。幅三尺足らずの黒い戸に真鍮しんちゅう敲子ノッカーがぶら下がっているだけである。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分は暖かい煖炉ストーブと、海老茶えびちゃ繻子しゅす刺繍ぬいとりと、安楽椅子と、快活なK君の旅行談を予想して、勇んで、門を入って、階段をあがるように敲子ノッカーをとんとんと打った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)