故人とも)” の例文
どうして、おめおめと故人ともの前にあさましい姿をさらせようか。かつ又、自分が姿を現せば、必ず君に畏怖嫌厭いふけんえんの情を起させるに決っているからだ。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そうして、附加つけくわえて言うことに、袁傪が嶺南からの帰途には決してこのみちを通らないで欲しい、その時には自分が酔っていて故人ともを認めずに襲いかかるかも知れないから。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さうすれば、しまひに己は自分の過去を忘れ果て、一匹の虎として狂ひ廻り、今日の樣に途で君と出會つても故人ともと認めることなく、君を裂きくらうて何の悔も感じないだらう。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
そうすれば、しまいに己は自分の過去を忘れ果て、一匹の虎として狂い廻り、今日のように途で君と出会っても故人ともと認めることなく、君を裂きくろうて何の悔も感じないだろう。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
その使いとしてやって来たのが、はからずも李陵りりょう故人とも隴西ろうせい任立政じんりっせいら三人であった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)