“撮上”の読み方と例文
読み方割合
つまみあ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多磨太は白薩摩しろさつまのやや汚れたるを裾短すそみじかに着て、紺染の兵児帯へこおびを前下りの堅結かたむすび、両方腕捲うでまくりをした上に、もすそ撮上つまみあげた豪傑造り。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その中にはアメリカからの大きな注文の取消電報や、手形延期の懇請状、その他いずれも、不景気を語るもの許りである。端から目を通してゆくうちに、彼は眉をしかめて一葉の名刺を撮上つまみあげた。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)