揃衣そろい)” の例文
長提灯ながぢょうちんの新しい影で、すっすと、真新しい足袋を照らして、紺地へ朱で、日の出を染めた、印半纏しるしばんてん揃衣そろいを着たのが二十四五人、前途ゆくてに松原があるように、せなのその日の出を揃えて
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この年の夏は陽気がおくれて、六月なかばでも若い衆たちの中形ちゅうがたのお揃衣そろいがうすら寒そうにみえた。宵宮よみやの十四日には夕方から霧のような細かい雨が花笠の上にしとしとと降って来た。
ゆず湯 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)