推進機スクリュー)” の例文
「ああ旦那、お客様ですぜ。舟も終発なら、この仏様にも返り車がねえときた。ひでえこんだ、こりゃ、推進機スクリューにやられたらしいな」
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
『水夫です。五日前の朝から昨晩まで修繕のめに入渠にゅうきょしていた帝国郵船の貨物船カーゴ・ボートで、天祥丸てんしょうまると言う船のセーラーです。推進機スクリューの油差しに出掛けて誤ってこぼしたらしいです。』
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
水量みずかさの増した、河面をゆるく推進機スクリューが掻きはじめ、この神秘の男を乗せた、船尾灯が遠く雨脚のなかに消えてゆくのだった。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「それどころか、曳舟の推進機スクリューで、首のなくなった奴を、この眼で見てきたんだ。下腹したっぱらを一文字にやられてね、しかも、ったそいつが、左利きときてるんだ」
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ところが、ふと、聴音器に推進機スクリューの響きが聴えてきた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)