控場ひかえじょう)” の例文
祝宴が始まる前の控場ひかえじょうの大広間には、余興の舞台が設けられていて、今しがた帝劇の嘉久子かくこ浪子なみことが、二人道成寺ににんどうじょうじを踊り始めたところだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
実業界の名士の顔も、五六人は見覚えがあった。が、見渡したところ信一郎の知人は一人もいなかった。彼は、受附へ名刺を出すと、控場ひかえじょうの一隅へ退いて、式の始まるのを待っていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)