振仮名ふりがな)” の例文
旧字:振假名
ようや振仮名ふりがなを頼りに読めるようになった時に、最初にとっついたのが『西遊記』であった。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ことに困難を感ずるのは今のいわゆる自称文学者とか自称美文家とかいう先生たちの文章だ。僕らごとき専門の文学者でさえ振仮名ふりがなあてにしなければ読む事の出来ない文字が沢山ある。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その翌日の定刻に、慢心和尚は講義をするといって、例の二三冊の振仮名ふりがなの書物を持ち出しましたけれど、その本を開かないで、円い頭をツルリと一撫でして、細い目でジロリと席を見渡しました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)