打越うちこし)” の例文
すでに打越うちこしにはその背景を叙した後だから、今度はそういう事が頻々あるという、概括的事実としてこれを味わってみたものかと思う。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
手取川てどりがわ打越うちこし安宅あたかなどいたる処の敵を追い、また敵の援護となる部落を焼きたてて、金津かなつの先まで進出したときである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一、連句は変化を貴ぶ故にその打越うちこし(一句置いて前の句)に似るを嫌ふ。即ち第三の句は第二句に附くこと言ふまでもなく、しかして第一句とはなるべく懸隔せるを要す。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ところがその近くの打越うちこしという村では、今でも井戸がなくて毎日河へ水汲みに出かけます。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その間には月花つきはな定座じょうざ打越うちこし去嫌さりきらい等の規定ありて、代々の連歌師皆力をここに用ゐたりといへども、我説かんとする所に要なければ言はず、ここにはただ連歌の発句を論ずるを以て足れりとす。
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)