打撲だぼく)” の例文
まだ高い所へのぼつてゐなかつた丈が、さひはひと云へば云ふ様なものゝ、世間のに映ずる程、身体からだ打撲だぼくを受けてゐないのみで、其実精神状態には既に狂ひが出来てゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
れ手ぬぐいが頭に巻かれた。コニャクの酔いと、激情と、身に受けた打撲だぼくのために衰弱しきった彼は、頭を枕につけるが早いか、すぐに眼をつむって前後不覚になってしまった。
死因に関しては前頭部の後方の打撲だぼく傷による内出血説と咽喉いんこう部を強くしめつけられたための窒息致死説との二つの説にわかれ、どちらが先に行われたかわからないということになり、多分、何者かが
鉄の規律 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)