打坐たざ)” の例文
彼自身は修行の際に語録を読むことをやめて専心に打坐たざした。しかし打坐を重んずることは言葉による表現と背馳はいちするものではない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼は深草の廃院にあってあるいは打坐たざしあるいは法を説くのみであった。現前の飢饉惨苦については彼はただいう、「無常を観ぜよ」。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ここで彼は考えた。なるほどすべては無用である。専心に打坐たざして真理をつかめば、そのあとは語録公案の知識がなく、また一字も知らない場合にも、説き尽くせない泉が内から湧いて出よう。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)