手練者てだれもの)” の例文
武芸のある手練者てだれものも、泰文の冷笑的な眼附でジロリとやられると、勝手がちがうような気がして手も足も出なくなってしまう。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さてこそ手練者てだれもの。——序戦の乱軍には目もくれず、じっと、動かず居残っている体は、死を決した者のみが捨身を
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先年大浜で斬首うちくびになりました詐欺いかさま賭博の名人、カラクリ嘉平の娘だけありまして、仕掛博奕の手練者てだれもので、諸国の商人あきんどを手玉に取って絞り上げておったと言う話で御座いますが
「大作が手練者てだれものの上に、飛道具があろうし、門人の加勢も見ねばならず——」
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)