惣嫁そうか)” の例文
「この樣子ぢや、柳原を通る人がなくなりますよ。名物の惣嫁そうかも、陣を拂つて姿を消してしまひましたぜ」
「何んと——京で辻君、大阪で惣嫁そうか、江戸で夜鷹と、夕化粧——かの。それから?」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「ハイ、夜鷹よたかでも、惣嫁そうかでも」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「サア、あの邊には變なのが澤山あるよ。いろは茶屋に、ろくろ長屋、山を下りると、惣嫁そうかの巣もある」
「いやになるなア、夜鷹よたか惣嫁そうかぢやありませんよ。親分も御存じの、中坂の朝田屋の娘お縫、此間の火事の時、お調べに立ち會つたんで、あつしの顏を覺えてゐたのですね」
「ひどくせつかちな逢引だな、柳原の惣嫁そうかにからかつてももう少し情があるぜ」