情緒センチメント)” の例文
愛には全く論理ロジックがなく、その情操は純一に感傷的で、女性的に、柔和であって涙ぐましい。普通に言う「情緒センチメント」という美感は、この道徳情操に於て最高潮に表象される。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
凡ての清新な情緒センチメントと凡ての苦い神経の悦楽とを委ねて満足してゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
凡ての清新な情緒センチメントと凡ての苦い神経の悦楽とを委ねて満足してゐる。
桐の花とカステラ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かの人道主義や、他愛主義や、その他の博愛教道徳は、すべて情緒センチメントの上に基調している。これに対して「正」や「義」やは、何等かの主義信念の上に立つもので、概して思想的要素を多分に持ってる。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
吾人ごじんが普通に「感情」と言ってるものは、気分色合を異にしているところの、二つの別趣のものを包括している。一つは所謂いわゆる情緒センチメント」であって、優雅に、涙もろく、女性的な愛情に充ちたものである。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)