怪訝いぶかし)” の例文
そして、何の縁故で覚明がここにいるのか、御方の怪訝いぶかしい行状、あれやこれや、考えれば考えるほど不思議な疑念に包まれてしまった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「幌骨と兜?」と熊城は怪訝いぶかしそうに何度となく繰り返すのだったが、法水は無雑作に結論を云った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「母さんは其事に就ては、何事も貴女に仰有いませんか」坂口は怪訝いぶかしそうに相手の顔を視守った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
たたずんでそのていを見ていたらしいので、彼女へも事情を告げなければ、怪訝いぶかしがられるおそれがあった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)