御著ごちゃく)” の例文
朝の微光がさすと、彼はさっそく思い出してひらいてみた。それは播磨御著ごちゃく小寺政職おでらまさもとから荒木村重へ宛てた書面である。文意をれば——
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
官兵衛孝高は、あの次の日、父宗円そうえんの主筋にあたる御著ごちゃくの城主小寺政職おでらまさもとのところへ急ぎ、やがて政職に目通りしていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ところで、孝高よしたか。——足下そっか御著ごちゃくの城へ入って住め。幸いに、小寺政職が捨てて逃げたからそのあとへ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後もまた官兵衛には、加増の恩命があって、城地御著ごちゃくから山崎の城へ移された。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒田父子の主人筋で、一たん織田方へ味方しながら、中道で寝返りを打った御著ごちゃくの小寺政職まさもとは、三木陥落と聞くやいな、戦いもせず、居城御著をすてて、備後びんご方面へ潰走かいそうしてしまった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現にこの播磨はりまにおいても、御著ごちゃくの城主小寺政職おでらまさもとが、荒木村重の叛旗はんきを見ると共に
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)