御良人ごりょうじん)” の例文
こうしていただけるのも故人が特に宮様のことでお頼みされたことがあったのかと、必ずしも御愛情の見える御良人ごりょうじんではなかったのですが
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
内藤夫人にしても御良人ごりょうじんから慰藉料を、頂戴したのか強要したのか、兎に角たんまり手に入れた折、今日の三越を念頭に置いたに相違ない。
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
およびその御良人ごりょうじんの存生中は善悪ともに他人のとかくをいうべきはずもないことと、実は口をかんしておったわけであります。
御良人ごりょうじん御娘みむすめも、これを人生の常としてだれも経験していることとはお思いになれないで、言語に絶した悲しみ方をしておいでになるのである。
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その間も三輪夫人は幾度か僕に寄り添って、御良人ごりょうじんの面倒を頼んだ。僕は大人の世話をするのかと思うと頗る得意でズボンのポケットに手を入れながら急に丈が高くなったように感じた。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
こうして思いがけず勢力のある宮の御良人ごりょうじんがおできになったことを聞いて、もとは勤めていなかった家司けいしなどが突然現われて来て事務所に詰め、仕事に取りかかっていた。
源氏物語:40 夕霧二 (新字新仮名) / 紫式部(著)
あそばすならすぐれた結婚をなさらなければならなかったのでございますが、以前の御縁組みの場合にも、私はあなた様の最上の御良人ごりょうじんとあの方を見ることができませんで
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それよりも十分大事に尊重申される御良人ごりょうじんにお助けられになってこそ、あなた様の御天分も十分に発揮させることができるのでございます。どうかそのお心におなりくださいませ
源氏物語:40 夕霧二 (新字新仮名) / 紫式部(著)
宮の御後見役代わりの御良人ごりょうじんになることを人づてにお望み申し上げたつもりであったのが、その人はむだなことを知って奏上もしなかったのであったから、按察使は残念に思い
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「大将さんというのは今の女二にょにみやのたしか御良人ごりょうじんでいらっしゃる方ですね」
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)