御猟みかり)” の例文
こよみのうえも忘れて来た。おおあれは三上山みかみやま、そのてまえは鏡山だな。するとここらは天智天皇が御猟みかりのあとか」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大君の御猟みかりにはと鎮まれる天城越えゆけば雪は降りつゝ
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
あくまで要心して、取次の者に、許田の御猟みかりからずっと病気で引きこもっているから——と丁寧に断らせた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御猟みかりの日、傍若無人ぼうじゃくぶじん曹賊そうぞくが、帝のおん前に立ちふさがって、諸人の万歳をわがもの顔にうけた時、玄徳の舎弟関羽かんうが、斬ッてかかりそうな血相をしておった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いつぞやの御猟みかりの節、何故、曹操に対して、あのようなまなざしを向けたか。誰も気づかぬ様子であったからよいが、近頃、其方にも似合わぬ矯激きょうげきな沙汰ではないか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)