御父様おとつさん)” の例文
旧字:御父樣
宮か、宮は別にどうといふ事は無いのだ。御父様おとつさん御母様おつかさんよろしいやうにと云ふので、宮の方には異存は無いのだ、あれにもすつかり訳を
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
最早もうあの顔を見ぬ決心で出て参りました、まだ私の手より外誰れの守りでも承諾しようちせぬほどのあの子を、だまして寐かして夢のうちに、わたくしは鬼に成つて出て参りました、御父様おとつさん御母様おつかさん
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
で、わしもまあ一安心したと云ふもので、幾分かこれでお前の御父様おとつさんに対して恩返おんがへしも出来たやうな訳、就いてはお前もますます勉強してくれんでは困るなう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これやモウ程なく十時になるが関は泊つて行つていのかの、帰るならばもう帰らねば成るまいぞと気を引いて見る親の顔、娘は今更のやうに見上げて御父様おとつさんわたくしは御願ひがあつて出たので御座ります
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)