御布令おふれ)” の例文
むしろ『力』は逆になっていたといってもいいので『御布令おふれ』なども、殆んど形式以上の効力はなかった。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
... これからはたとい女たりとも産婆営業勝手たるべき事と云う御布令おふれさえ出てめでたく落着を告げました」「よくいろいろな事を知っていらっしゃるのね、感心ねえ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「種吉を縛らないのが不足だといふのか、——あの男は、片輪で貧乏でも、若い男に違ひあるまい、若い男が、若い女に惚れて惡いといふ御布令おふれは出たとでも言ふのか」
友だち して見ると、今にお上から、男女同席御法度なんによどうせきごはつと御布令おふれでも出かねなからう。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
第一に眼にとまったのが伊藤博文のちである。上を見ると明治十一年九月廿八日とある。韓国統監かんこくとうかんもこの時代から御布令おふれ尻尾しっぽを追っ懸けてあるいていたと見える。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今年は火の用心の御布令おふれがあって、江戸の町ではどんど焼きが御法度ごはっとだそうですよ」
「今年は火の用心の御布令おふれがあつて、江戸の町ではどんど燒が御法度ださうですよ」
「金がありや死ななくてもいゝといふ御布令おふれでも出たのか」