御北おきた)” の例文
私はその話を小供の時分から覚えていたが、ついぞそこにしまってあるといううわさの安兵衛が口を着けた枡を見たことがなかった。その代り娘の御北おきたさんの長唄ながうたは何度となく聞いた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)