後取あとと)” の例文
後取あととりにする内弟子のふうちゃんより、名取りのおなっちゃんより私を可愛がって、御自慢で附合さらいに連れ廻った。
もっとも、寺に戸籍こせきのあった時代で、祝言も仲人なこうどもなく、勝手に後家ごけといっしょになった場合は、世間への名聞もはばかって、表向は後取あととりと言えないわけで、それをおもんぱかって、源左衛門は店や蔵の譲受ゆずりうけ
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)