待合うち)” の例文
その晩、待合うちの湯に入った。「お前、さき入っておいで。」と言って置いて可い加減な時分に後から行った。緋縮緬の長い蹴出しであった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「じゃやっぱり彼家あすこにしよう。……僕もあんまり行かない待合うちだがお宮を初めて呼んだ待合だから」
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
元々其家そこは長田の定宿のようになっている処だから、また何様どんなことで、何が分るかも知れないと思って、お宮に電話で、桜木は何だか厭だから、是非何処か、お前の知った他の待合うちにしてというと
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)