当所無あてどな)” の例文
やや有りて彼はしどなくベットの上に起直りけるが、びんほつれしかしらかたぶけて、カアテンひまよりわづかに眺めらるる庭のおもに見るとしもなき目を遣りて、当所無あてどなく心の彷徨さまよあとを追ふなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)