強請きょうせい)” の例文
その血相をもって、彼は、院の御所へ駈けつけ、法皇に対し奉って臨幸を強請きょうせいしていた。けれど法皇には、おき入れがない。とやかく立ち騒いでいるうちに
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちと思うことがあるから、きょうは終日、たれにも会いたくない。そちは、なるべく門にいて、客をしゃす役にあたれ、もし、たって訪問を強請きょうせいするものが来たら、この詩を示してやれ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとよりこれは漢帝のご本意でなかったこと勿論であろうが、その空気を察して、この際大いに魏へ私威を植えておこうとする華歆が、許都の朝廷へ迫ってむりに強請きょうせいしてきたものなのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四国がわの内部では、すでに谷忠兵衛のごとき具眼ぐがんがあって、前途を見とおした“め手”を打って、元親の同意を強請きょうせいしていたほどだったが、戦局上の表面では、攻略軍の羽柴方とて、決して
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)