弥太やた)” の例文
旧字:彌太
そのかたわらに敬四郎が父親のなわじりとって、目をむきながら、手下の直九、弥太やたのふたりを口ぎたなくしかりつけているさいちゅうなのでした。
夫 (小説を声高に読みはじめる)「芳町よしちやうで幅の利く顔役、弥太やたらうげん七が出先から子分に持たせてよこした手紙を見た女房おげんの顔の色がさつと変り……」
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「——奥州の堀井弥太やたと仰っしゃってくだされば、なおよくお分りのはずでございます。かねがね、ご書状をもちまして」いいかけると、ガタンと、門のがうごいて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……うむ」堀井弥太やた砂金売かねうり吉次は、えくぼをたたえて、うなずいた。ふとい——大きな息で
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅商人たびあきゅうどの堀井弥太やたは、先へ、足を早めながら
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)