弥勒寺長屋みろくじながや)” の例文
向う両国も本所だし、鐘撞堂新道かねつきどうしんみちも本所だし、老女の家も本所であるし、弥勒寺長屋みろくじながやも本所のうちであったはず。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
立ち上った時には、竜之助は、昔、甲府城下の夜の時したように、その後は、本所の弥勒寺長屋みろくじながやにいた時分の夜な夜なのように、かお頭巾ずきんに包んでいました。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
普通の人ならば文句もあるだろうが、本所の弥勒寺長屋みろくじながや以来、この人をよく知り抜いている米友です。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
米友を出し抜いて弥勒寺長屋みろくじながやを出た竜之助は、いつのまにか、こうしてここまで来ていました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
江戸の本所の弥勒寺長屋みろくじながやに、同じ釜の飯を食って以来、いや、もっと早く言えば、甲府城下の如法闇夜の時以来、あの覆面の怪物の夜な夜なの出没の幻怪ぶりを満喫していること
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
江戸の弥勒寺長屋みろくじながやにいた時分、江戸の闇を食って歩いた経歴は知る人ぞ知る。甲府の城下へたどりついた時分に、甲府城下の如法闇夜に相当以上に活躍したことも知る人は知っている。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かつて甲府の城下にある時、また本所の弥勒寺長屋みろくじながやを出でて、江戸の市中をさまよう夜な夜なは、この姿で、この男の動くところには、必ず血が流れていたのに——今はもうその時でも
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「や——おめえは、その、いつかの弥勒寺長屋みろくじながやの、その、あれじゃねえのか」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)