廓然からり)” の例文
次に手ばしこく蒲團をたたんで押入へ押籠む……夜の温籠ぬくもりは、二十日鼠はつかねづみのやうに動くお房のまほりと、中窓から入ツて來る大氣とにさまされて、其處らが廓然からりとなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「一体お寺の本山などいふものは、山の腹か頂辺てつぺんかに建ててある。見るとけはしく落つこちさうで危い。そこになると、黄檗はあの通り平地ひらちに建つてゐるので、廓然からりと気持がいゝつたらない。」