廐橋うまやばし)” の例文
廐橋うまやばしのほうから来たらしい電車がやはり何の音もさせないで来るのを見た。哲郎はゆっくりとレールの上を踏んで歩いた。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
川蒸汽は蔵前橋くらまへばしの下をくぐり、廐橋うまやばし真直まつすぐに進んで行つた。そこへ向うから僕等の乗つたのとあまり変らない川蒸汽が一艘矢張やはなみを蹴つて近づき出した。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして車掌に教えられて、廐橋うまやばしの通りで乗り換えた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
川蒸汽は僕等の話のうち廐橋うまやばしの下へはひつて行つた。薄暗い橋の下だけは浪の色もさすがにあをんでゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)