廊架ろうか)” の例文
むねの離れている廊架ろうかづたいの一室へ父のすがたは背を向けて入って行った。主税は、琴の音がやんだなと思いながら、自分の机へもどった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お願いの者にござります」近づいて、心蓮が地上にぬかずくと、紙燭しそくを持って、ちょうど橋廊架ろうかのうえを通りかけた寺僧が
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしが呼ぶまで、誰も来るな。そこの廊架ろうかのつま戸もてておかれい」そういって、附随の弟子たちを遠ざけた上——
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広くはないが、配所とも見えぬほど閑寂かんじゃくな幾室かがある、短い二けんほどの橋廊架ろうかを越えると、そこには何か非凡人のいるものの気配が尊く感じられて、三郎盛綱は、いわれぬうちから
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蓮華王院の長い御堂みどう廊架ろうかは、俗に三十三間堂げんどうともよばれているところである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)