廂房しやうばう)” の例文
蓮鉢を越して向ふ側の廂房しやうばうから、眼でもましたのだらう、急に赤ん坊の癇走かんばしつた泣き声が聞えて来た。梧桐は仄暗ほのぐらく、蓮は仄白く、赤ん坊の声だけが鋭い。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)