庵原いはら)” の例文
駿河庵原いはら岫崎くきざき岡は今の薩陲さった峠のことで古くは『日本紀略』の天慶三年の記事にも見えている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ここのとりでには、富士、庵原いはら、二ぐんをまもる徳川家とくがわけ松平周防守康重まつだいらすおうのかみやすしげがいる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また今日は毛利家の親族となっておらるる吉川きっかわ家は、元駿州の庵原いはら郡の住人で、梶原景時かじわらかげときが鎌倉を逃げて西に走る時に、狐ヶ崎でこれを攻め殺した吉香きっこうの小次郎はその祖先である
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
杉菜がはたけに入ると農夫は皆困るのは、その根がどこまでも深くて手ではとても抜き切れぬからで、それでまた地獄の鉦紐かねひも(伊豆賀茂)、地獄の釣鉤つりかぎ(駿河庵原いはら)、地獄の鉤つるし(同志太しだ