広沢こうたく)” の例文
旧字:廣澤
栄二は芳古堂で十年も手習いをし続け、朋輩ほうばいの中では上手の内にかぞえられていた。彼は広沢こうたく菱湖りょうこが好きであり、唐様からようも和様も本筋に習った。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
広沢こうたくをして日本の能書のうしょならしめば、われはすなわち漢人のせつなるものと云うたのは、徂徠だったかな、和尚さん」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山陽だとか、小竹しょうちくだとか、海屋かいおくだとか、広沢こうたくだとか、そんなことがいけない。本当に書をやるには、本家本元の本格のものに就いて正楷を本当に叩き込まなけりゃならぬ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『細井広沢こうたく先生ですな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)