“市兵衛町”の読み方と例文
読み方割合
いちべえちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六六館に開かるる婦人慈善会に臨まんとして、在原伯ありわらはくの夫人貞子ていこかたは、麻布あざぶ市兵衛町いちべえちょうやかたを二頭立の馬車にて乗出のりいだせり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
市兵衛町いちべえちょうの通りには元南部侯の屋敷の塀に沿うて桜の大木が半町ほどもつづいて立っている。桜と榎とは霜を待たず秋となれば直様すぐさま落葉する事他の木よりも早い。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ふたりは、肩をならべて、我善坊がぜんぼうくぼから市兵衛町いちべえちょうへ出て、だらだらと霊南坂を降りて来た。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)