崋山くわざん)” の例文
そこへ折よく久しぶりで、崋山くわざん渡辺登わたなべのぼるが尋ねて来た。袴羽織に紫の風呂敷包を小脇にしてゐる所では、これは大方借りてゐた書物でも返しに来たのであらう。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
渡辺崋山くわざんや高野長英等はそれで、彼等は尊い開国の犠牲となつて徳川幕府の手に仆れた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
苾堂は詩を以て梁川星巖やながはせいがん柏木如亭かしはぎじよてい及五山と交つた。書は子昂すがうそうとし江戸の佐野東洲の教を受けたらしい。又をも學んで、崋山くわざん門下の福田半香、その他勾田臺嶺まがたたいれい高久隆古たかひさりゆうこ等と交つた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)