山野やまの)” の例文
「試験がすんだなら、すぐ殿様の所へ、お礼に行くんだぞ。」と、言はれてゐたので、田端たばたの丘の上にある、山野やまの子爵家に、たづねて行きました。
硯箱と時計 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「おいミチ子。今夜はおごってやるぞ。さア祝杯だ。山野やまのには何かうまいカクテルを作ってやれ。僕は珍酒ちんしゅコンコドスを一つ盛り合わせてコンコドス・カクテルとゆくかな」
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は大馬力でその夕刊小説を書いた。暮れの二十八日に貰った千円以上の金に、私は馬鹿のようになってしまって、イの一番に銀座の山野やまのでハンガリアン・ラプソディのディスクを買った。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そこには、思いがけぬ山野やまの夫人が、ニコニコして立っていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いろいろの式があつたあとで、山野やまの紀伊きいかみの家老を務めてゐたといふひげの白い老人が、殿様の代理で
硯箱と時計 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「これだこれだ山野やまの君」と彼は私の名を思わず大きく叫んだ。
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「知つてゐます。山野やまの紀伊きいかみです。」
硯箱と時計 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)