居眠いねむり)” の例文
自分は、長蔵さんと主人との話を聞きながら、居眠いねむりを始めた。いつから始めたか知らない。馬を売損うりそこなって、どうとかしたと云うところから、だんだん判然はっきりしなくなって、自然じねんと長蔵さんが消える。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
風采ふうさい、千破矢家のたるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国回向院えこういんのかの鼠小憎の墓前はかのまえに、居眠いねむりをしていた小憎があった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つまり、三人が揃いも揃って、居眠いねむりをはじめたのです。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)