尺蠖せきくわく)” の例文
尺蠖せきくわくは伸びて而もまたかゞみ、車輪は仰いで而も亦る、射る弓の力窮まり尽くれば、飛ぶ矢の勢変りかはりて、空向ける鏃も地に立つに至らんとす、此故に欲界の六天
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
将門のいきほひ浩大かうだいで、独力之を支ふることが出来無かつたから、下野掾の身ではあるが、尺蠖せきくわくの一時を屈して、差当つての難を免れ、後の便宜にもとの意で将門のもとふたといふのであるから
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)