少許すこしばか)” の例文
原は西南から東北に延びた舌状をなしていて、中央を細い沢が貫流し、周囲を落葉喬木に取り巻かれた草地に、針葉樹が少許すこしばかり生えています。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
私は此処をのがれて、すぐにも彼処あそこへ行きたい気が起つて来た。それには先刻さつき飲んだ少許すこしばかりの酒が、余程強い力を以て手伝つてゐた。が、私は昨日も家をけた事を思ひ出した。
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
山「少許すこしばかりですが、もう行きますからお茶代に」
諸所の砂地には羚羊の寝た跡がまざまざと残っていました。高原の落葉松林は度々たびたび目にする所ですが、渓谷では笛吹川の東沢などで少許すこしばかり見懸けた外、余り見た事はありません。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)