小成しょうせい)” の例文
ところが誰でも少し油断すると小成しょうせいやすんじ、これでよいという気になりやすく、しからざればなにごとについてもいたずらに不満の声を高くして
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
小成しょうせいに安んじるのがお国風くにふうですから、金持にしても百万以上のは片手の指を折るほどしかありません。殊に伊豆からこの辺へかけて薄志弱行はくしじゃっこうの本場です。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いやもすこしいわせてください。そんな小さい望みのために。そ、そんな小成しょうせいに安んじるくらいなら何も」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「或いは、天下は大坂にまかせても、駿遠三信の四ヵ国にわたって、無事を保てばよいとして、はや小成しょうせいに安んずるお心やもしれぬ。——もしそうだとしたら、これは危険だ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小成しょうせいに安んずる奴だと思ったのである。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
小成しょうせいに安んじる風がある」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)