小主公わかだんな)” の例文
「それじゃあ後髪を引かれねえで、可うがす。お二人の先途を見届けて参りましょう。小主公わかだんなお気を着けなすって、のちともいわず直ぐに、」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大助は敵の我を忌むをりて、小主公わかだんなの安否心許こころもとなく、なお推返おしかえして言わんとするを、三郎は遮りて
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小主公わかだんな貴方あなたはなぜそう弱くおなんなすったね、やめえなんざ気で勝つもんです。大方何でしょう、そんな引込思案をなさいますのは、目のためじゃあござりますまい。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小主公わかだんないお音信たよりがござりますぜ、大旦那様もちょうどこの春、三月が満期で無事に御出獄でござりました。こちらでも新聞がござりますなら、くに御存じでござりましょう。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)