尊澄そんちょう)” の例文
客の僧は、後醍醐の御子みこ尊澄そんちょう宗良むねなが親王)であった。すがすがと、痩せてお若く、和歌のおすきな、あの法親王なのである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この月の二十八日に、笠置かさぎの城は落城した。そうしてその城にこもっておられた、主上をはじめたてまつり尊澄そんちょう法親王、藤原藤房、同じく具行ともゆき千種忠顕ちぐさただあき、尊貴縉顕しんけんの方々は、関東軍の手に渡った。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二十歳はたちにして(今、二十四)天台座主てんだいざすの任に就かれ、去年、座主を御弟の尊澄そんちょう法親王に譲られた後も、叡山大塔のじゅうを動くなく、ひそかに山門の僧兵を練って「時こそ」と
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)