将軍家うえさま)” の例文
旧字:將軍家
……かくなってはあからさまに、ことごとく申すそのお浦儀、将軍家うえさま後継者およつぎに関する件の、一大秘密持ちおりまするぞ!
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我々の力で、甲府城を守り通すことが出来たら、莫大ばくだいな恩賞にあずかるという、有難い将軍家うえさまのご内意はあった。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
将軍家うえさまが田沼をご寵愛のあまり、度々ご加増遊ばされたが、ある時のご加増に田沼ははばかり、私のお父上に意見を訊いたそうだ。するとお父上は云われたそうだ。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「疑問一応はもっともじゃ。が、ないとはいわれない。将軍家うえさまでさえあのとおりではないか」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
将軍家うえさまのお覚えめでたくなくなり、田沼の施政徐々に廃され、諸閣老方擡頭し参られ、ご親藩三家や越中守様たち、いよいよ手強く田沼に抗し、それに彼奴きゃつせがれ意知おきともめを刺殺した
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……今、将軍家うえさまよりの命があって、そなたがご辞退致したとあれば、一つには将軍家へ不恭となり、二つには将軍家の過贈の非を、世間へ知らせることになる。だからご加増は受けるがよろしい
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
将軍家うえさまより頂戴した器類を、館より次々に盗み出したことは、潔よく其方も白状したではないか。では何者に頼まれて、そのようなだいそれた悪事をしたか、これもついでに云ってしまうがよい。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我家のご先祖宗武むねたけ卿が、お父上にしてその時の将軍家うえさま、すなわち八代の吉宗よしむね将軍家から、家宝にせよと賜わった利休の茶杓子をはじめとし、従来盗まれた品々といえば、その後代々の我家の主人が
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)